さよならデザイナー もどる

 夢の続きを


 「デザイナーと呼ばないで」というコラムを書いてからちょうど1年、とうとう決別の時を迎えた。
 今にして思うと、18の頃はその肩書きの響きだけに憧れが強かったのだろう。商業デザインではなく工業デザイン、インダストリアルデザイナーが、当時の憧れだった。
 挫折したあとにMacに出会い、Macを使うデザイナーの仕事があると知って、やがてその仕事に就こうと考えだした。
 そして独学で勉強をはじめたものの、その内容はデザイナーの勉強では無く、アーティスト志向だったのだ。デザイナーの知り合いなどいなかったから、自分の思うように進んできた結果だろう。


 夢と現実


 「18の夢」から10年あまり、ようやく高校の頃に憧れていた肩書きを、手に入れることができた。
 しかしその喜びは1週間と経たずに消え去り、現実が目の前に迫って来たのだ。自分の作りたいものが作れるわけでは無い。自分の個性を最大限主張できるものでは無い。他人が欲しいものを、代わりに作る。それが商業デザイナーだったのだ。
 もう1つ、デザイナーは定年が早い。会社勤めのサラリーマンデザイナーとしては35ぐらいが限界、それ以上になるとディレクター・プロデューサーに発展していく。残念ながらその方向は、目ざしているものとは異なっていた。だから、このまま続けることにも、迷いが生じたんですね。

入社当初のデザイナーCamelliaの席

 夢との決別

 現実を知ってなおも続けるか、それとも自分の目ざす道をあくまでも進むのか。その答えはあっさりと出た。もちろんデザイナーになるために東京に来たのでは無い。アーティストになるためなのだ。ここで妥協はできない。

 「18の夢」に別れを告げ、新たな夢に向かう。

 12年の間目標にしていた夢は、実現期間わずか2年弱で終わらせてしまった。なかなか夢を実現するのは難しいことかもしれない。今は、本当に夢が叶って良かったと思っています。講師の仕事に就いたのも、その経験があったからこそ、なのだから。
 次の夢が叶うまで、あと何年かかるかわかりませんが、実現目ざして頑張って行きます。
06.23.2003 UP